「LCA」とは、【生の血液細胞分析=Live Cell Analysis】の頭文字をとったもので、血液をそのまま暗視野顕微鏡で観察するものです。日本には1982年にその技術が導入され、1989年に厚生省承認番号(B1)第346号で医療用具として認定されています。
「LCA」では、血液の血漿(けっしょう)及び血球成分(赤血球、白血球、血小板)を観察することができ、それらの異常所見から血液状態を把握します。
自分の血液を自分の目で、生きたままの状態で見ることができますから、視覚から入る自分の体の情報ということで、健康管理に役立てることができます。
最初に目につくものが、一番数の多い赤血球です。健康な状態では丸く、ほぼ大きさが揃ってみえます。
ところが、次の写真のような赤血球もあります。明らかに赤血球形態異常所見です。これは貧血をあらわしており、写真は鉄欠乏性貧血で、ヘモグロビンは7.2g/dl(基準値は11.5〜15.0g/dl)の症例です。
このような場合は栄養、なかでもたんぱく質不足を最初に疑い、たんぱく質を充実させて膜をしっかりさせることから始めます。膜が比較的しっかり見えていても、縮みがある場合は酸化を疑い、ビタミンE等、抗酸化成分の補給を考えます。
次に、白っぽい大きな血球が目にとまります。これが白血球です。LCA鏡検における白血球の動きは、血液をスライドグラスというガラス上にのせて行います。ガラスは我々の体にとっては異物ですから、白血球が異物を認識して捕獲しようと動くのです。(白血球の遊走能といいます) しかし、このような動きがない白血球が多いと、白血球の働きは弱いと判断します。
白血球はビタミンCがなければ活性化しませんので、白血球の働きが弱ければ、ビタミンCを摂る必要がでてきます。白血球は体内に侵入してきた細菌や異物をやっつける“兵隊さん”のようなものです。
そのほか、血球には凝固作用に関与する血小板がありますが、血小板は非常に小さい血球です。赤血球約20個に対して1個の割合で存在しています。
血しょうは、血液の約55%をしめる液体で、水分や栄養素、老廃物を運搬しています。
次の写真は、コレステロールや中性脂肪が多く、血しょうが濁っているケースです。
コレステロールや中性脂肪が血液中に長く残ると動脈硬化の原因になりますので、脂肪を燃やしやすくするためにビタミンB群が必要になります。
LCA検査から見たたんぱく質の摂り方の症例をご紹介しましょう。下の写真を見ると赤血球がたくさん映っています。赤血球の寿命は120日間ですから、LCA検査で見る赤血球は、その間に生まれた赤血球です。
すなわち、120日前に生まれた赤血球や、30日前に生まれた赤血球、今日生まれた赤血球も写真の中には混ざっています。
たんぱく質がしっかり摂れている日に生まれた赤血球は丸くてきれいな形をしていますが、たんぱく質の摂取が足りていない日に生まれた赤血球は、いびつな形になってしまいます。
LCA検査から見た、たんぱく質の摂り方の症例をご紹介します。
左の写真は、120日間平均して良いたんぱく質の摂り方ができている例です。赤血球がきれいな形をしており、重なりも見られません。赤血球がきれいな形をしているという事は、体の細胞にも栄養が行きわたっているものと予測できます。体の細胞を取り出して栄養状態を見るわけにはいかないので、赤血球を細胞の代表として考えて栄養状態を見ていきます。
左の写真は、120日間のうち3〜4割にたんぱく質の不足がある例です。きれいな形の赤血球もあれば、金平糖のような形の赤血球もあります。たんぱく質が不足した日に生まれた赤血球は、形がいびつになってしまうのです。これでは酸素をうまく運べません。
左の写真は、120日間のうち、ほぼ毎日、たんぱく質が不足していた例です。形がいびつなだけでなく、重なりもありますのでビタミンBの不足も考えられます。総合的に栄養不足があったと思われます。
左の写真は、極端にたんぱく質が不足している例です。すでに貧血が出ている可能性があります。食生活を見直して、しっかりと栄養を摂っていかないと危険な状態です。
ほんの一例をご紹介しましたが、LCA検査にて血液からいろいろな情報が得られることがお分かりいただけると思います。患者さんは、血球の様子を見て目を輝かせたり、血しょうが濁っていると不安そうになったりします。そして少しでも良い血液にしたいという思いが生まれ、行動変容につながる良い機会となります。
現代の医療の中にあっても、医学の原点のような「自分の血液を視る検査」が活躍していることは素晴らしいことであり、健康管理のための生きた検査であると考えています。

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