思春期、成熟期、更年期にわたる長い期間、毎月繰り返される月経(生理出血)を、その時々の部分的な対処だけで済ませてしまっていませんか? 例えば、「痛いので、痛み止めの服薬を」というふうに。
この期間は、お腹に二世を宿し、出産もあるでしょう。このように大事な女性の体です。女性が持ついろいろな生理作用の内、月経の部分だけでも、その仕組みの知識を持っておくことは大切です。
例えば、「胸が張り、痛いのは?」、「イライラするのは?」、「激しい生理痛は?」というような症状の原因を知ることによって、その原因を軽くするコツのようなものが日常生活の中にいくつもあるのです。それらを役立ててみませんか?
D期に食塩を摂り過ぎると、むくみがひどくなります。この時期は控えましょう。
カフェイン、アルコールは、胸のはり、神経の緊張、不安症を悪化させるので、控えましょう。特に、カフェインは精神的な不調を促進する可能性があるため、なるべくD期は避けましょう。
月経前の時期(D期)は、ホルモンが急激に減少します。それにより脳内の神経伝達物質の消耗が起こります。
セロトニンやβーエンドルフィンの低下が原因のPMS症状対策には、これらの合成がしっかりできるように栄養状態を高めておきましょう。特にビタミンB群の補填・補完は重要です。なかでもビタミンB6が大切ですが、B6のみの摂取はビタミンB群バランスが崩れますから、ビタミンB群で摂取するようにしましょう。
脳内神経伝達物質の低下によって、「うつ様の症状や心配性、精神的不安定等」が生じてしまったなら、ビタミンB群とミネラル(特にマグネシウム:この場合もマグシウム単独摂取はミネラルバランスをくずしますから、総合ミネラルで摂取することを心がけてください)が症状緩和に役立ちます。
単独のビタミンBやミネラル(例えばえばビタミンB2、B6、亜鉛、マグネシウムという単一の成分)の摂取を勧めるケースをよく見かけます。これはアメリカの分子栄養学を学んだ方々の栄養療法としての扱い方であります。栄養素の薬効的な働きを利用し、症状緩和を考えていると思いますが、ビタミンBやミネラルの代謝にはバランスを崩してはいけない場合があります。食事摂取と同じようにビタミンB群、総合ミネラルと考えて摂取してください。単独の長期摂取の是非はまだ確認されていません。
脳内神経伝達物質の消耗は、自律神経の働きに影響し、自律神経に乱れを起こします。
イライラや神経過敏が起こった場合はγ−リノレン酸(月見草オイル)の摂取がいいでしょう。また、カルシウム摂取をこの時期は多めしてください。サプリメントで摂取する場合は、総合ミネラルを摂るようにしてください。
月経直前のイライラ、攻撃性、精神の不安定、ざわつき等は、低血糖から来ているかもしれません。
対策としては、三食、きちんと食事を摂っていたとしても、月経前は通常時よりも1〜2時間短い時間でアドレナリン分泌が起こるため、月経前の期間は、炭水化物を含む食事を3時間置きに(小量頻回に)摂るのが好ましいとされています。
また、砂糖は一時的には血糖値を上げて気分を落ち着かせてくれますが、その後の急激な血糖値の低下によって、かえって不安定な気分になってしまいますから摂取に注意をしなければなりません。この時期は低血糖になりやすいので、どうしても甘いものを食べたくなりますが、食べないことで症状が楽になります。黄体期から月経期の期間は甘味禁止でいきましょう!
経血のために子宮を収縮させるのはプロスタグランジンEUの働きによるものです。この分泌量が必要以上に多ければ月経痛がひどくなります。
脂肪の摂り方によってプロスタグランジンEUが多くなると、問題が起こります。下図のように植物油だけの摂取では、代謝の結果、プロスタグランジンETとEUの分泌は、 1:1でバランスがとれます。 ETは子宮を拡張に働き、EUは収縮に働きます。
しかし、ここに動物性脂肪の摂取が多くなると、次の図のようにEUが多くなり、収縮が強くなります。動物性の油の摂取を少しでも少なくすることで、月経痛が緩和されるでしょう。
また、下図のような緩和策もあります。プロスタグランジンEVは、ETと同じ働きをするので、ω3系の脂肪(α-リノレン酸、EPA、DHAを含む)を摂り、プロスタグランジンEVを増やすこともおすすめします。
ω3系とω6系の脂肪酸の摂取比率の理想的なバランスを厚労省が発表し、1:4が望ましいとされています。(現状は、ω3系とω6系の比率は、1:10〜15と言われています。)
ω9系脂肪酸は、プロスタグランジンには関与していません。
体温が低いと、体幹部の熱を保つために末端の毛細血管は収縮して血液循環が悪くなります。すると骨盤内もうっ血し、子宮内膜や経血が体外にスムーズに押し出されなくなり、子宮を収縮させるプロスタグランジンEUが増えて、骨盤内や腹腔内の他の臓器が引っ張られることで生理痛の痛みが増します。
低体温の生理痛に対する長期的な影響としては、冷えにより血流が滞るため、血液と共に運ばれる酸素や栄養素が全身に行き渡らなくなり、子宮や卵巣などの働きが悪くなり、女性ホルモンの分泌量やバランスが乱れるために、むくみや乳房の張り、頭痛など、生理前から生理中のさまざまな不快症状を引き起こすことが考えられます。
低体温対策とし、下図に心当たりがあると思えるものから、改善していきましょう。
熱の材料が不足している 自律神経の失調
運動不足で筋肉量が不足している ホルモンのアンバランス
貧血がある 血液を送り出すポンプ力が弱い
PMSの症状が現れる時期は、栄養の乱れが不調に直結することもありますから、食生活の改善も大切になります。積極的に食べたい食品と、逆に避けた方がよい食品には下の図のようなものがあります。 チョコレート やコーヒー など、カフェインを含む食品はPMSにとっては良くない食材と言えます。わざわざ自分からイライラしたり、抑うつ状態になるようなものを摂取するのは賢明ではありません。
海藻(ミネラル) 白砂糖(低血糖症状に関係)
大豆(イソフラボン) 食塩(むくみに関係)
ビタミンB6の消耗の補給 カフェイン(興奮に関係)
アルコール
小麦粉とその加工品
体が冷える食べ物

笹塚クリニックは、渋谷区にある内科クリニックです。サプリメントを使った栄養療法を行っており、サプリメントの効果的な摂り方を紹介している予防医療専門のクリニックです。

笹塚クリニックのホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。