眼で病気にかかりやすいのは「水晶体」と「網膜」です。水晶体は、水とたんぱく質からできており、血管も神経もない透明なものです。水晶体は白く濁ってしまうことがあり、これは酸化の影響で水晶体に老廃物が蓄積されるために起こるもので、白内障という病気です。白内障の予防には抗酸化作用のある栄養素を摂ることが大切です。また、網膜の病気として黄斑変性症が増えています。
黄斑変性症は、物がゆがんで見え中心部がぼやけてしまい視界が狭くなってしまいますが、眼の網膜の中心部にある直径2ミリの黄斑部において、老化や光ストレスによって機能が低下するために起こる病気です。光ストレスとは、可視光線の中でも最も強いエネルギーを持つ青色光のことで、太陽の光だけでなく、現代社会ではテレビやパソコンなどからも青色光を浴びる機会が増えています。紫外線A波やB波は角膜や水晶体で遮断されるのに対して、青色光は網膜まで到達し、網膜の中でも特に黄斑部は光が集光する部分であるためストレスを受けやすいのです。この青色光による光酸化ダメージが黄斑変性の原因の一つといわれています。
有効な対策としては、抗酸化作用を促すカロテノイド(色素)を摂ることです。特に、ヒトの黄斑部に存在するカロテノイドは、ルテインとゼアキサンチン(ルテインの代謝物)のみであることが知られており、重要な役割を果たしています。ルテインは体内で合成することができませんのでサプリメントを使った補給は大切かと思います。
当院では目の健康維持に「ルテインミックス」のサプリメントを提供しています。カプセル状のサプリメントで、費用は30日分で7,776(税込)です。
「ルテインミックス」にはルテインが2粒に5mg含まれています。
ルテインは、紫外線や人工の青い光による光酸化ストレスから細胞を守る働きがあります。眼の黄斑部と水晶体に存在していて重要な役割を果たしています。眼に紫外線を浴びたり、テレビやパソコン、携帯電話の画面からでる青い光をみることで、眼の中にあるルテインは少しずつ消費され減っています。
ルテインが不足することで、黄斑変性症や白内障などの眼疾患の発症リスクが高くなるという報告があります。そのリスクを減少するためには1日に6〜10mgのルテインを必要とします。
白内障は、水晶体内のたんぱく質が光酸化によるダメージを受けて徐々に白濁します。
黄斑変性は、視界の中心部をつかさどる網膜中心部の黄斑部が正しく機能しなくなり、物がゆがんで見えたり、中心部の視界が失われたりします。
アスタキサンチンは、天然に広く分布する赤、橙、黄色の脂溶性色素です。近年、アスタキサンチンを高濃度に産生するヘマトコッカス藻の培養技術が確立されてきました。
鮭の身が赤いのは、体内に蓄積したアスタキサンチンの赤い色素によるものです。産卵のために急流を遡上する力をつけるために、海でアスタキサンチンを含む藻などのエサを大量に摂取し、アスタキサンチンを筋肉に蓄えるといわれています。
また、鮭の卵であるイクラにもアスタキサンチンが受け継がれていて、アスタキサンチンが不足していると、孵化できないとされます。しかし、これら動物のアスタキサンチンは食物連鎖によって蓄えられたもので、動物自身が体内で作り出しているものではありません。自ら作り出すことができるのは、ヘマトコッカス藻などの植物だけです。鮭や甲殻類は、この藻を餌として取得し体内に蓄えているのです。
ヘマトコッカス藻は淡水性単細胞緑藻で、普段は緑色をしていますが、紫外線などの環境変化でストレスを感じると、体内にアスタキサンチンを作り、赤く変色します。これがヘマトコッカス藻の身を守っているのだといわれています。太陽光線や活性酸素などのストレスに対して、自ら防御するためにアスタキサンチンを利用し、またそれを食べた生物も、防護作用(抗酸化作用)を利用することができます。
当院が扱っている「ルテインミックス」には、アスタキサンチンが2粒に1.05mg含まれており、眼精疲労を防ぐ作用のあるアンセリンも、2粒中に8mg含まれています。
眼が疲れるメカニズムとして、眼の網膜にはロドプシンという物質があり、このロドプシンが光エネルギーを受けると、「レチナール」と「オプシン」に分解され、また再合成するということを繰り返します。この分解の際に生じる電気信号が脳に伝わり、“物が見える”と認識されます。
ところが長時間、眼を酷使するとロドプシンの再合成が追いつかず、物が見えにくくなったり眼が疲れた状態になってしまいます。つまり、眼の疲れの予防と改善には、ロドプシンの再合成を正常に保つことが重要であると考えられます。
カシス、アサイー、ハスカップなどに含まれるアントシアニンは、このロドプシンの再合成を促すことによって眼の疲れを改善するといわれています。また、アントシアニンは毛細血管の血流を改善する働きもあるため、いわゆる眼の“コリ”状態を軽減して仮性近視化を抑制します。
さて、アントシアニンといえばブルーベリーが有名ですが、実はアントシアニンには多くの種類があり、その系統によって体内の活性も違います。カシスには、特に眼に優れた働きを持つといわれる、デルフィニジン系及びシアニジン系のアントシアニンが多く含まれ、アサイーやハスカップのアントシアニンも、ブルーベリーの次世代を担うアイケアサプリの成分として注目されています。
当院が扱っている「ルテインミックス」には、アントシアニンが2粒中に41.1mg含まれています。アントシアニンの原材料としては、カシス、アサイー、ハスカップから抽出されたものが使われています。
ルテイン、アスタキサンチンなどの眼に良い色素(カロテノイド)は脂溶性ですから、油に溶ける形で眼の細胞に運ばれて作用します。
「ルテインミックス」に配合されているサーモンオイルは、オメガ3系脂肪酸(DHA、EPA、DPA)とアスタキサンチンを含む特徴的なオイルです。特に、魚油にはほとんど無いドコサペンタエン酸(DPA)が含まれており、DPAは血管内皮細胞の遊走能(細胞の伸縮性能)に優れていますから、サーモンオイルは眼にしっかりと栄養素を届けるための良い油といえます。
ポリフェノールは、植物の葉、茎、花粉、樹液などに含まれる“植物色素”の総称で、数千種類もあります。ポリフェノールで良く知られているものには、アントシアニン、イソフラボン、カテキン、ケルセチン、タンニン、ルチンなどがあります。ポリフェノールが「水溶性」なのに対し、「脂溶性」の色素がカロテノイドです。カロテノイドの代表的なものには、ベータカロテン、リコピン、ルテイン、アスタキサンチンなどがあります。ポリフェノールは植物のみに含まれているものですが、カロテノイドは植物と動物の両方に含まれています。
植物は太陽の光を使って光合成をしていますが、光合成と同時に大量の活性酸素が生まれます。この活性酸素は植物にとっても有害なものであり、活性酸素をいかに上手に処理するかが種族保存のためには重要になります。植物は誕生して以来、活性酸素を制御する能力を進化させてきました。その能力が「色素パワー」であり、植物はその色素を果実などに集中させて子孫繁栄を実践させて来たのでしょう。
一方、動物は摂取する食べ物から抗酸化作用のあるものを取り入れて役立てています。ポリフェノールやカロテノイドは、ビタミンにつぐ必須栄養素として考えることもできうる重要なものであり、色とりどりの、色の濃い野菜や果物を食べることは、それが美味しいということだけでなく、健康を保つ上でもとても大切で意味のあることです。

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