必須脂肪酸とは、油の中に含まれている栄養素で、文字通り私たちが生きていく上では無くてはならない“必須”の栄養素です。なぜ必須なのかというと、それは私たちの体の細胞膜やホルモンを作る材料になるからであり、体のほとんど全ての機能に関係しているからです。
そして、必須脂肪酸には、【オメガ3系脂肪酸】と【オメガ6系脂肪酸】と呼ばれるものがあり、この2種類の脂肪酸は、体内では合成できないので食物から摂る必要があります。炎症を抑える働きをする“プロスタグランジン”も脂肪酸から代謝されて作られています。
プロスタグランジン(生体調整ホルモン)には多くの種類がありますが、原料となる脂肪酸の種類により、大きく3つのグループに分類されます。本来ならば、私たちの体は必要に応じてプロスタグランジンを合成し、微妙なバランスを保って利用するしくみがあります。
しかし、近年の日本人の食生活を見た時に、人によっては脂肪酸の摂り過ぎが見られるようになってきました。さらに、下の図にあるような脂肪酸の変換(代謝)が、正常に機能しない人の割合が4人に1人の割合でいるということもわかってきました。
体の調整役をしてくれるプロスタグランジン1
私達の体の中には、さまざまな微量物質が存在し、それらが互いに影響しながら重要な働きをしています。例えば、体の生理機能をつかさどる酵素、この酵素に指令を出しているホルモン、そして酵素の潤滑油の役目をするのがビタミンです。プロスタグランジンも、こうした体の調節をするホルモンに良く似た物質です。
プロスタグランジンは、20種類以上もあり、いろいろな不飽和脂肪酸から作られます。炎症を抑える働きをするプロスタグランジン1は、体内でリノール酸を材料にγ-リノレン酸へと変換されて作られています。
プロスタグランジン1がアレルギーを抑える
例えば、体内でアレルギー反応が起きると、末梢神経が緊張して収縮しますが、体は即座にそのまわりの細胞でプロスタグランジンを作り、神経の収縮を正常に戻そうとします。この働きが、アレルギー症状がどんどん加速してしまうのを抑えているわけです。
プロスタグランジンを作る力が弱いと炎症が加速する
食物から摂取されたリノール酸は、普通、健康な人では体内にてγ-リノレン酸に変換され、細胞内に組み込まれます。そして、必要な時にいつでもプロスタグランジンに変身して活躍できるように待機しています。ところが、体の異常や食生活の偏り等により、何らかの阻害因子を持つ人は、リノール酸からγ-リノレン酸を体内でうまく作ることができません。したがって、プロスタグランジン1を作る力も弱いのです。正常に変換できない理由には、遺伝的要素、有害化学物質、ストレス、生活習慣などが考えられます。また、変換に必要なビタミンB群、ビタミンCなどの栄養素の欠乏が原因となる場合もあります。
プロスタグランジン2は、炎症を活発にする
現代の食事では、牛、豚、鶏肉などの著しい増加により、アラキドン酸が過剰になるケースが多いようです。アラキドン酸は、炎症を活発にするプロスタグランジン2へと変換されますので、アラキドン酸の摂り過ぎは、プロスタグランジン2の過多となり、生体調整ホルモンのバランスは乱れてしまいます。アレルギー性の湿疹、花粉症、アトピー性皮膚炎などの自己免疫疾患の増加の背景は、肉類に偏った食生活に原因があるとも言われています。
オメガ3系の脂肪酸は、炎症を抑えるプロスタグランジン3を作る
オメガ3系の脂肪酸であるα-リノレン酸は、変換(代謝)されてDHAやEPAになります。EPAは、炎症を抑える働きをするプロスタグランジン3の材料ですが、肉類中心の現代の食事では不足しがちと言われています。EPAは、シソ油やアマニ油に豊富なα-リノレン酸から合成されますが、サバやイワシ、アジ、カツオなどの魚にも豊富に含まれる成分ですから積極的にそれらの魚を食べましょう。
食事からは摂りにくい月見草オイル(γ-リノレン酸)ですが、サプリメントで摂ることをおすすめします。笹塚クリニックでは、アレルギー症状のある方に月見草オイル(γ-リノレン酸)処方していますので、「薬は飲みたくない。」「市販のサプリメントでは満足できない。」という方はぜひご相談ください。
費用は30日分で3,000円〜9,000円(本体価格)です。症状に合わせて必要な方に相談のうえご案内します。
ずっと飲んでいて大丈夫?
γ-リノレン酸は薬でなく食品です。健康維持の目的で、ずっと継続していただいて問題ありません。花粉症対策の場合には、症状のある季節だけ摂っても効果があります。2月〜4月頃は、1日に4粒摂ることをおすすめします。
一緒に摂ると良い栄養素は?
アレルギーは抗原が体に入ると、それが炎症の引き金となります。抗原が体に入ってこないように、バリアである粘膜を丈夫にするため、β-カロテンをおすすめします。また、オメガ3系の脂肪酸が豊富なDHAやEPAを一緒に摂ると、脂肪酸の代謝バランスが整います。
授乳中に摂っても大丈夫?
γ-リノレン酸は、もともと母乳に含まれる成分です。お母さんからγ-リノレン酸のもらいが少ない赤ちゃんは、アトピーという形でアレルギーを起こしやすくなると考えられます。したがって、授乳中も継続して摂ることをおすすめします。
γ-リノレン酸が豊富な食品は?
自然界においては、母乳と月見草の種子にわずかに含まれています。人工的には微生物を利用して発酵生産されたものがあります。したがって、リノール酸から体内でγ-リノレン酸を作れない体質の人は、サプリメントで補給してください。

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