この「なぜ?=生活習慣リスク因子」は一人ひとり違います。自分では気づいていない「なぜ?」もたくさんあります。ご自分の「なぜ?」が何であり、どの程度関与しているのかを知ることで、「なぜ?」の関与を減らすことが可能になり、糖尿病の進行と悪化を防ぐことができるのです。
「なぜ?」を多くしてしまったり、また放置すると、インスリン抵抗性とインスリン分泌不足の二重構造の糖尿病になり、コントロールが難しくなります。糖尿病をながびかせないためにも、ご自分の「なぜ?」を調べておきましょう。
あなたは、糖尿病の治療を受けているだけで安心していませんか?糖尿病は治療を受けるだけでよくなるとは限りません。治療は専門のドクターにまかせても、生活習慣の退治は“あなたご自身の手”で行わなければならないのです。この二人三脚がそろえば、治療の成果も高まります。
しかし、生活習慣の退治をするにしても本当の“敵”(糖尿病になった原因)が見えていなければ、空振りということもあるわけです。
治療は、糖尿病を悪化させないように高血糖を下げる目的で行われます。例えば、薬の力でもってインスリンの分泌を高める(インスリンをもっともっと出させよう)とか、高血糖の原因になる糖の吸収を抑えようという方法がとられます。これは、糖尿病の根本的治療になるものではないことは、みなさんも良くお分かりだと思います。いわゆる対症療法になるものです。
しかし、悪化の道を進んでしまってはいけないので、対症療法であっても受けなければならない方は多くいらっしゃいます。しかし、もう少し考えてみませんか?糖尿病になる原因は実にさまざまで、多くの生活習慣が関わっているのです。
最近では、糖尿病の家系的因子を持っている人だけが糖尿病を発症するとは限らなくなっています。あなたの糖尿病の真の原因が、あなたが“そうであろうと思っている生活習慣”とは違ったところにある可能性が、実はあるのです。隠れていた真の原因である生活習慣を見つけ出し、自分自身の手で退治することによって、糖尿病の治療の成果を高めることもできるのです。
糖尿病にはいろいろなリスクが関与しますが、それらのリスクは、下のレーダーチャートのように6つのグループに分けられます。血液検査の結果が6つのグループの、どのグループにウエイトがかかっているか、問診の結果がどのグループにウエイトがかかっているかを重ねて合わせて判断します。
下のレーダーチャートでは、重なり合っているリスクグループが、どのグループであるかが明らかに示されています。血液検査の結果では、内臓脂肪とすい臓酷使のグループに検査値が大きくかたより、次に動脈硬化にもウエイトがかかっていることが分かります。
問診の結果では、検査値と同様に内臓脂肪、すい臓酷使、動脈硬化にウエイトがかかっていますが、肝機能低下にもウエイトがかかっています。
血液検査の検査結果によって、糖尿病と判断されるわけですから、検査値と一致するグループの生活習慣から改めることによって、検査値を有効に下げることにつながります。
糖尿病にはいろいろな生活習慣が関わっていますが、まずは検査値に影響を及ぼしている生活習慣から改め、検査値に影響を及ぼしていない生活習慣が一般的には悪しき生活習慣であっても、ご自分の糖尿病には強く影響するものではないとし保留にして、影響を与えている物から優先して行動変容を行うことをご指導します。
近年、糖尿病になる人は増加する一方です。糖尿病というのは、かかりやすい体質に、過食や運動不足が加わって発症します。かかりやすい体質を持っている人の数は、そんなに急には増えませんから、多くは生活習慣に問題があるといえます。すでに糖尿病にかかっている人だけでなく、その予備軍の方にも受けていただきたいプログラムです。
自分でも気がつかないうちに、糖尿病へのレールの上を走っているとしたら怖いことですね。糖尿病は、発症から数年間は自覚症状がほとんど出ません。しかし、定期的に健康診断を受けていれば、糖尿病は発症前の段階で発見できます。栄養医学研究センター 笹塚クリニックでは、糖尿病に関する血液検査や食事指導を行っていますので、ぜひお役立てください。

笹塚クリニックは、渋谷区にある内科クリニックです。サプリメントを使った栄養療法を行っており、サプリメントの効果的な摂り方を紹介している予防医療専門のクリニックです。

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