グルタチオンは人体だけでなく、他の動物や植物、微生物など自然界にある多くの生体内に存在して、生体の“恒常性(ホメオスタシス)”を保つ重要な役割を果たしています。このグルタチオンの発見は非常に古く、1888年にフランス人によって発見され、フィロチオン(イオウを好む物質)と名付けられたのですが、その発見は支持されずにそのまま放置されてしまいました。しかし、1921年になって有名な生化学者、ホプキンスによって再発見され、“グルタチオン”と名付けられました。
このグルタチオンが最近になってなぜ注目されるようになったのか・・? その理由は非常に多様な生理機能を持っていて、現代人と密接な関わりを持つことがわかってきたからです。体内で合成されるグルタチオン量は、年齢とともに減少しますので、高齢になればなるほどグルタチオンを食品から摂る必要性が高まります。日頃から摂取に気をつけておくべき成分のひとつといえるでしょう。
笹塚クリニックでは、グルタチオンのカプセルを必要な方に処方しています。費用は、30日分で2,339円〜4,679円(本体価格)です。症状に合わせて相談の上で処方します。
グルタチオンが豊富な野菜には、ブロッコリーやカリフラワー、アスパラガスなどがあります。特に、スプラウトと呼ばれるブロッコリーの新芽や、アスパラガスの穂先に多く含まれています。アスパラガスの穂先の小さな三角形のものは、“はかま”と呼ばれる退化した葉です。アスパラガスは猛スピードで成長するため、葉が邪魔になり退化しましたが、このような葉では紫外線を浴びた時に自らを守ることができません。そこで、アスパラガスはアミノ酸をグルタチオンに変えて蓄え、穂先を紫外線から守っているというわけです。植物の持つ新芽パワーを、ぜひお食事でとりいれましょう。
体内のエネルギーは、食べ物が酸化分解反応という酸化を受けて作られ、運動や力、活動に使われて消費されています。すなわち、エネルギーを作る“生体酸化反応”は、命に大切な要素であり命の源といえます。ところが、この“生体酸化反応”は、過剰になってしまうと逆に人体にとって有害なものになります。
“生体酸化反応”で発生した過剰な『活性酸素』が、細胞膜の構成成分である脂質を過酸化脂質(鉄が酸素で錆びるように、油が変質した状態)に変えてしまい、その結果、細胞を傷つけて動脈硬化や老化の促進、あるいはガンを引き起こす原因になってしまいます。それを防ぐために、体内の“グルタチオン”がすかさず過剰な活性酸素を消去し、グルタチオンペルオキシダーゼという酵素と協力して、細胞膜を保護して人体を守っています。これを抗酸化作用といいますが、一般的に良く知られたものではビタミンC、ビタミンEなどがあり、グルタチオンもそうした抗酸化物質のひとつです。
昔は、グルタチオンを口から摂っても、いちばん小さなアミノ酸に分解されてから吸収されると考えられていました。しかし今では、グルタチオンは全部ではありませんが、グルタチオンのまま吸収されてその効果を発揮することがわかってきています。
加齢にともない新陳代謝が低下すると、肝臓でグルタチオンを合成する能力が衰えてきます。そのため体内のグルタチオンのレベルを一定に保つために、グルタチオンを食品から摂取する必要があります。
実は、白内障の原因も活性酸素であるといわれています。眼球は表面から酸素を摂取しますが、そこは脂の被膜に覆われているために摂取した酸素によって酸化してしまいます。それが長期間続くと白内障の原因になります。ところが、房水(目に栄養を送る液体)中に、ビタミンC、ビタミンE、グルタチオンが多い人は高齢でも白内障が起こらないことがわかっています。
そのため笹塚クリニックでは、初期の白内障の患者さんにグルタチオンのカプセルを処方しています。白内障の予防や、糖尿病、肝臓病の悪化を防ぐ作用、解毒作用、美肌効果など、グルタチオンには様々な効果がありますので、お悩みの方はご相談ください。 
食べ物と一緒に、気づかない内に摂取してしまう食品添加物や重金属等の異物は、時として毒になり、発ガン性物質になることがあります。毎日の食生活や生活環境から、自然に体の中に入り込んでくる有害物質があるというのは怖いことですが、例えば水銀、鉛、カドミウム、ヒ素などは、肝臓や腎臓の働きを衰えさせ、頭痛、疲労、ストレスなどを引き起こします。これらの有害物質を体外へ排出することによって、健康維持をするのが『解毒』ということです。
それでは、グルタチオンはどのようにして解毒を行っているのでしょうか? まず、肝臓に運ばれてきた毒物をグルタチオンが包み込みます。この毒物とグルタチオンが結合した状態を、“グルタチオン抱合”といいます。すなわち、システイン、グルタミン酸、グリシンといった3つのアミノ酸が手をつないでできたグルタチオンサークルの中に、毒物を閉じ込めるのです。その後、毒物によってグルタミン酸とグリシンが切り離され、残ったシステインと毒物がメルカプツール酸となって尿中へ排泄される仕組みです。
このような解毒代謝の流れを活発にするためにも、肝臓のグルタチオン濃度を下げないようにすることが重要です。肝臓は腎臓とともに解毒作用をつかさどっている大切な臓器ですが、この働きの中心となっているのがグルタチオンです。ですから、グルタチオンは体内で実に重要な役割を担っているデトックス成分といえるでしょう。グルタチオンは体の中のほとんどの細胞に存在していますが、特に肝臓に多く存在して解毒という大役を果たしています。
内臓や神経、筋肉、あるいは血管など、体内のあらゆる臓器や器官はたんぱく質から作られていますが、この体たんぱく質の合成にグルタチオンが関わっています。グルタチオンが不足すると、たんぱく質の合成が不十分になり代謝が低下します。たんぱく質の合成を促す成分としても非常に重要なため、グルタチオンを“生命の基幹物質”と呼んでいる学者もいます。
また、グルタチオンはシステインの貯蔵庫でもあります。システインは、グルタチオンの構成成分の1つであると同時に、硫黄を含んだ含硫アミノ酸として、肌、髪、爪などに対して美容効果を発揮しますが、一方で、システインが体内に必要以上に増えると弊害もあります。そこで通常は、グルタチオンがシステインの貯蔵庫となり、細胞中のシステイン濃度は低く抑えられています。そして、必要に応じてグルタチオンからシステインが放出されて、各組織に適当な量のシステインが安定供給されていると考えられています。
お酒を飲むと、肝臓中のグルタチオンの量が減ります。これは、アルコールが代謝される過程で発生する活性酸素や有害物質(アセトアルデヒド)の排除に、グルタチオンが動員されるためです。したがって、お酒を良く飲む人は、活性酸素や有害物質によって肝障害を引き起こしやすくなります。お酒を日常的に飲んでいる人にみられるアルコール性脂肪肝も、グルタチオンの不足が関与していると考えられています。
アルコール性脂肪肝というのは、肝臓に中性脂肪がたまってしまう病気ですが、グルタチオンには肝臓から中性脂肪を取り出す働きがあると考えられています。また、お酒を飲んだ後の呼気のアルコール濃度が、グルタチオン摂取でどのように変化するかを調べた研究があります。この研究で、グルタチオン摂取群においては摂取後20分の段階で呼気中のアルコール濃度はかなり低下し、継時的にどんどん減少しました。また、実験後に対象者に行ったアンケート調査では、アルコールの抜け方、眠気、頭痛、胃のむかつき、むくみ、紅潮、ふらつきの7項目についても、グルタチオン摂取群で良い結果が得られたと報告されています。飲酒は脂肪肝の引き金になりますから、お酒が好きな人はグルタチオンが不足しないように注意が必要です。
太陽の日差しを長く浴びていると、肌が日焼けすることは誰しも経験していると思います。これは、太陽からの紫外線の刺激によって、皮膚の中で“メラニン”という黒い色素が作られるためです。
皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織(皮下脂肪のある所)の三層で形成されています。紫外線の刺激を受けると皮膚に大量の活性酸素が発生し、表皮の最も深い部分にあるメラノサイトと呼ばれる細胞でメラニンが産生されるとともに、表皮の新陳代謝が衰えてメラニンの一部がそのまま沈着してしまいます。これが“シミ”です。グルタチオンは、このメラニンの沈着を抑える働きがあります。メラニンが産生される時には、チロシナーゼという酵素が作用しますが、グルタチオンはこの酵素の活性を阻害する作用があると考えられています。ちなみに、美容皮膚科の医療現場では、肝斑(メラノサイトの機能亢進で起こる色素沈着)の治療にグルタチオンが薬として使われています。

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